1. セックスレス
「セックスレス」とは?
日本性科学会では「1ヶ月以上」を基準とし、
特別な事情(病気や暴力など)がないにもかかわらず、
性交渉やセクシュアル・コンタクトがない状態を指します
夫婦やカップルにとって、「セックス」は
単なる行為以上の意味を持ちます。
安心感、愛情表現、
そして
「ふたりが一緒に生きていく」
という確認作業でもあります。
しかし、厚生労働省や日本性科学会の調査によれば、
日本は「セックスレス大国」とも呼ばれるほど、
性生活の満足度が低い国のひとつです。
実際、結婚してから5年以上「レス状態」
という夫婦も珍しくありません。
今回の記事では、
全国調査(対象:20〜49歳・既婚男女3000人)のデータを中心に、
どうしてセックスレスになるのか
解消した人たちはどんなきっかけをつかんだのか
を深掘りしていきます。
2. セックスレスの原因
2-1 全国調査
回答者の属性
調査では、回答者を3つのグループに分けています。
1. 現在セックスレスだが、過去に解消したことがある人(330人)
2. 現在セックスレスで、一度も解消できていない人(789人)
3. 現在はセックスレスではないが、過去に一度は解消経験がある人(399人)
この3つの層のデータを比較すると、
「レスになった原因は似ているが、解消できたかどうかは“きっかけ”に差がある」
ことが分かります。
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2-2 共通して多かった原因
男女共通で最も多く挙げられたのは次の3つです。
育児・家事が忙しくなったから
性欲がなくなったから
パートナーがセックスを求めてこない/断られるから
これは、男女とも世代を問わず上位に入りました。
特に30〜40代は育児・家事が原因でレスになりやすく、
20代は「仕事の忙しさ」も目立ちます。
【引用:浜松町第一クリニック調査】
「セックスレスの原因は、全世代で『育児・家事が忙しくなったから』が最も多い。
女性はこれに加え
『性欲がなくなったから』という回答も上位に入り、
20代でも目立つ理由のひとつです。
2-3 経験別の違い

解消経験がある人
「子作りをきっかけに再開」「話し合いをした」が多い。
一度も解消できなかった人
「育児や家事の忙しさ」「性欲の低下」が長期化し、きっかけをつかめなかった。
過去に解消したことがある人(現在レスではない)
「子育てが一段落」「デートを増やす」など、ライフステージの変化がきっかけになっていた。
原因は同じでも、“チャンスをどうつかむか” で明暗が分かれている のがポイントです。
3. 参考事例から学ぶ「リアルな体験」
ここからは、調査データに加えて、
実際にレスを経験した夫婦のストーリーを紹介します。
数字だけでは見えない「心理」や「関係性の変化」が分かります。
3-1 “V字回復”した紗季さんご夫婦
「東京在住の紗季さん」夫婦は、同棲を始めたころからレスに。
一緒に猫を飼い始めたこともあり、
「猫の視線が気になって雰囲気が壊れる」
といった日常の小さな要因が積み重なっていきました。
さらに夫からの「家族にしか思えない」という一言は、紗季さんにとって大きなショック。
“女性として見られていない” という感覚がレスを深めてしまったのです。
しかし、紗季さんは「もう別にいいや」という態度をとりつつも、徐々に外見や態度を工夫。
身だしなみを整える、
雰囲気づくりをする、そして何より
対話を避けない 姿勢を続けました。
「セックスレスを解消するのは、特別な下着や雰囲気づくりよりも、対話や態度の変化が大事」
数年のリハビリ期間を経て、ふたりの関係はV字回復。
紗季さん夫婦の例は、
「諦めないこと」と
「小さな努力の積み重ね」がいかに大切かを教えてくれています。
3-2 レス歴5年子供を授かったご夫婦
5年間レス状態だったご夫婦が子どもを授かるに至った例 です。
ご夫婦は長く距離を置いていたが、あるきっかけで再び接近。
最初はぎこちなくても、少しずつ心と身体の距離が縮まりました。
【引用:AERA.dot漫画記事より】
「5年間レスだった夫婦が、あるきっかけを通じて再び向き合い、子どもを授かった」
この例は、どれだけ長いレス期間でも“再びつながる可能性はある” という希望を示しています。
3-3 産後レスの事情
出産後に多くの女性が直面する「産後レス」。
授乳やホルモン変化で性欲が低下
体力的に疲労困憊で性行為に気持ちが向かない
社会的に「産後の性」を語るタブー感が強い
【引用:AERA DIGITALより】
「出産後の女性はホルモン変化と育児疲れが重なり、性欲が減退する。
さらに、日本では産後の性を語りにくい文化があり、夫婦の距離が広がりやすい」
ただし、無理をせず徐々に、パートナーと理解を重ねながら再構築していくことが推奨されています。
4.「疲れ・気持ち・環境」レスの裏にある見えない壁
データを見ると
「家事・育児の忙しさ」がダントツの理由でしたが、
実際にはその裏に 心と体と環境が絡み合う“見えない壁” があります。
4-1 心の面
「夫(妻)にどう思われてるんだろう?」という不安
セックスが義務のように感じられてしまう
相手から求められないことで自己肯定感が下がる
こうした心理的な負担は、性欲そのものをしぼませてしまいます。
4-2 体の面
出産後のホルモンバランスの変化
授乳・更年期などによる性欲の低下
疲労や睡眠不足で「そんな気分になれない」
【引用:AERA DIGITAL】
「出産後の女性はホルモン変化と育児疲れで性欲が減退し、さらに“産後の性”を語りにくい文化も距離を広げやすい」
と指摘されています。
4-3 環境の面
子どもがいると「声や気配」が気になってムードが壊れる
親との同居で「夜の営み」がやりづらい
仕事と家庭の両立で、時間的にも余裕がない
3-1で登場した紗季さんも
「猫の視線が気になる」という小さな要因が積み重なり、関係を遠ざけたと語っています。
つまり、セックスレスは
「気持ちが冷めたから」だけではなく、
心・体・環境のトリプルパンチが多いのです。
5. レスを乗り越えた人たちの「きっかけ集」
では、そんな壁をどう乗り越えた人がいるのでしょうか。
全国調査と、実際のご夫婦の体験談から見えてきた「きっかけ」をまとめます。
5-1 データから見えた一番多いきっかけ
「セックスレスについてパートナーと話し合った」(女性に多い)
「パートナーの理解者になろうと努めた」(男性に多い)
「子作りのために再開した」
「子育てが一段落した」
「デートを増やした」
【引用:浜松町第一クリニック】
「セックスレスを解消できた人の多くは、“話し合い”や“関係性を見直す工夫”をきっかけにしていた」
つまり、“自然に回復した”のではなく、
意識して小さな工夫を取り入れた人が解消できているのです。
5-2 実際に効果があった工夫

【きっかけ・ 具体的な工夫・ ポイント】
話し合い 週末に「お互いの気持ち」を共有する
時間をつくる
責めるのではなく“私はこう感じてる”と伝える
スキンシップ ハグ
手をつなぐ
肩もみなどを日常に
いきなり行為に直結させない
見た目の変化
服装や髪型を少し変える
ダイエット
「また新鮮に思ってもらう」効果あり
環境を変える
子どもを実家に預けて2人だけの夜をつくる
「ラブホテルを利用した」という回答も
デート再開
外食や旅行で非日常をつくる
「夫婦=生活」から「恋人=ときめき」へ戻す
紗季さんご夫婦も、 「数年かけてリハビリ」 という形で復活しています。
つまり、解消は一発逆転ではなく、積み重ねがカギなのです。
6. 「うちもやってみよう」レス改善のチェックリスト
ここまでの調査や体験談をもとに、
今日からできる「小さな一歩」をまとめます。
6-1 自分たちの原因を知る
忙しさ?
性欲の低下?
気持ちのすれ違い?
まずは原因を“棚卸し”してみましょう。
6-2 小さなアクションから始める
今日はハグをしてみる
子どもが寝た後に10分でも一緒にお茶を飲む
「ありがとう」を口にする
6-3 話し合う時間をつくる
週に1度は「夫婦会議」を設定
感情的になる前に「こう感じてる」と伝える
6-4 環境を工夫する

非日常(ホテル・旅行)を取り入れる
家事・育児をシェアして“余裕”をつくる
7. それでも難しいときは…専門家に頼るのもアリ
ここまで紹介した「小さな工夫」や「きっかけ作り」をやってみても、
なかなか変わらないこともあります。
そんなときは「自分たちの努力が足りない」と責める必要はありません。
7-1 性の問題は、心と体の両方に関わる
男性側にED(勃起不全)や早漏などの機能の問題がある場合
女性側が出産後や更年期でホルモンバランスが乱れている場合
過去のトラウマや心のブレーキが影響している場合
これらは「根性」で解決できる問題ではなく、医療やカウンセリングの力が役立ちます。
7.2 相談先はいろいろ
婦人科・泌尿器科での検査や治療
性機能外来やセックスセラピー
カウンセラーや心理士との対話
国内最大級のオンラインカウンセリングサービス【Kimochi】ED治療を行う専門機関も増えていますし、
最近はオンラインでの性カウンセリングもあります。
ポイント
「恥ずかしいから誰にも言えない」で止まらず、“外の視点”を借りる勇気を持つこと。
7-3 「相談すること」が関係の再構築になることも
「一緒に病院に行く」
「カウンセリングを受けてみる」
——こうした行動自体が、夫婦にとって“協力のきっかけ”になることもあります。
レスの問題を“ふたりの課題”として扱えれば、それだけで一歩前進です。
8. まとめ:レスは“終わり”じゃなく“新しいスタート”
セックスレスという言葉には、どこか「関係が終わった」ような響きがあります。
でも、調査や実際の夫婦の声を見ていると、それは必ずしも「終わり」ではありません。
8-1 データからわかったこと
レスの原因は「家事・育児の忙しさ」「性欲の低下」「求められない」の3大要因が中心
解消できた人たちのきっかけは「話し合い」「子作り」「子育てが一段落」「デート再開」など
長く続いたレスでも“きっかけ次第で再びつながれる”という希望がある
8.2 事例から学んだこと
「家族にしか見えない」という言葉に傷ついた紗季さんご夫婦も、
数年の“リハビリ”を経てV字回復
5年レスの夫婦が子どもを授かった例もある
産後レスは“よくあること”であり、焦らず理解とケアが大事
8-3 読者様へのメッセージ
セックスレスは、決して珍しいことではありません。
私自身も経験しましたし、多くの夫婦が通る道です。
そこからまた「恋人同士のように」つながり直した人たちもたくさんいます。
だから、もし今レスで悩んでいるなら——
「もう無理」と諦める前に、小さな工夫をひとつ試してみる
そして、それでも難しければ専門家に相談してみる
その一歩が、ふたりの関係を温め直す大きなきっかけになるとおもいます。
最後にひとこと
あなたなら、パートナーともう一度“近づくための小さな一歩”に、何を選びますか?
ハグ?
ありがとうの一言?
それとも「ちょっと話そうか」の一声?
小さな一歩からでも、二人の未来は少しずつ変えていけます。
お互い見直してみるきっかけにしてみませんか?
